Le jeune homme

                               6月号
対談
永田会長、日向野新市長(YEG会員)に聞く

 去る5月20日、YEG広報委員会のメンバーと共に栃木市庁舎市長公室を訪れ、日向野市長と1時間に渡って対談をさせていただいた。財政、合併等,現在メンバーの関心の高い話題を中心にお話を伺ってきた。今月号から連載でその内容を皆さんにお届けしたい。対談の間、栃木市政について熱っぽくかたる日向野市長の額は、いや瞳はキラリと輝いていた。

                       会長 永田 章

永田 本日はお忙しいところお時間を取っていただいてありがとうございます。
まず、市長になられて約3週間ですが、今のところの感想はいかがですか?
市長 はい、あわただしい日々を過ごしています。4月30日に初登庁させていただきましたが、今年は統一地方選があったために、各団体の総会が5月に集中しまして、ご挨拶に伺ったり、政策の協議等で手一杯の日々が続いています。なかなか本来のするべき仕事をしている時間がとれないのが申し訳ないと思っています。6月の議会が終われば少し落ち着くと思いますよ。
永田 市長の子供のころは、どんなお子さんだったんでしょう。小さい頃から政治に関心はございましたか?
市長 いいえ、子供の頃は全く関心はありませんでした。でも祖父が市議会議員をしていましたからね。こんなもんだなというイメージはありましたけど、まさか自分がこうなるとは思っていなかったですよ。
永田 どんどん思っているのと違う方へ違う方へいってしまう?
市長 そうそう。(笑)
永田 では早速、本題に入っていきたいのですが、今、市の取り組むべき重要な問題は多々あると思うのですが、合併、財政、地域経済、教育、環境、福祉等のなかから、あえて優先順位をつけるとしたら、何から取り組まれますか? 
市長 はい。財政の問題は今回の市長選でも争点になりましたよね。一般会計に306億の借金がある。ただこれは国の交付税措置と連動するので、それだけを市のレベルで解決される単純な問題ではないんです。
永田 確か、文化会館の公開討論会でもおっしゃっていたと思うのですが、国から戻ってくるお金があるのですよね
市長 はい。45%、約136億が返ってきます。
永田 それはいつまでにどういう形で返ってくるんですか
市長 たとえば、地域総合整備債という国が創設した借金に対する返済をしながらその地域の情勢に応じて返ってくるというお金で一度に返ってくるというものではないんです。今後、国が交付税全体を絞ってくるということになると地方の財政を圧迫します。国がきちんと補償してくれれば、実際の借金は170億ということになるわけです。
永田 では市の借金というのは民間企業のように銀行から借りているというのでなくて、国が地方に貸しているということですね。それでも民間のように利払いというのはあるんですか?
市長 はい、ありますよ。
永田 ではやはりあまり借金が膨らむと金利負担が大変なわけですね。
市長 そうです。一般の銀行では金利の安いものに借り替えというのができますが、国の場合はほとんど借り替えができません。
永田 え、それでは国は利息も付けて返してくれるのですか?
市長 その利子分も交付税で措置されます。いずれにしても、市としては、独自で未利用土地の処分も含めた有効活用をして基本的財源を作っていく必要はありますね。
永田 では選挙の時、争点になっていたように、今にも栃木市がつぶれそうだということではないのですね。
市長 今すぐ財政再建団体に陥るような状況ではありません。ただ将来の問題はこれの償還のピークが平成17年から22年にやってくるということ。また同時期に職員の退職者数のピークもやってくる。これにそなえて、今後、退職手当基金に多額の積立を行っていかなければならないこと。更には社会資本の老朽化による再投資の時期も同時期にやってくるので、基本的財源に対する投資的割合がどんどん減少傾向になってきてしまう。そういう意味では、危機的状況とも言えますね。
永田 そうすると言い古されたことですが、やはり一般経費や公共投資というものを絞っていかざるを得ないということですね。
 さてでは財政にも関係してくるということで、次のテーマですがご存じのように昨年YEGでは前栗原会長がJCや自治会連合会とともに署名活動をして一市五町の合併の住民発議をしましたが、結果的に近隣の町の同意が得られなくて、徒労に終わった感があります。しかし我々YEGとしても、住民発議をしっぱなしというのでなく、継続してこの問題を取り上げて行くつもりなのです。市長は先日の公開討論会では理想は二市八町の大合併だとおっしゃってましたが、現実は一足飛びにそこへはいかないと思うのですが。合併については必要性の有無も含めてどのようなご認識をお持ちですか?
市長 合併は必要だと考えています。これからの地方自治体はいままでのような小さな単位では、住民のニーズに合わせた充分な行政サービスを行うのが難しくなってくると思うからです。将来合併は避けて通れません。今回、皆さんにせっかく住民発議をしていただいたのですが、そこで見えてきたことは、各自治体の温度差の違いがはっきりしたということ。これを解決するには、こちらから五町のほうへ歩み寄って、しっかりとした考え方を示す事が必要だと思っています。
永田 大岩藤では法定協議会が立ちあがりました。今回、合併が話題になっているのは平成17年3月という期限があるからですよね。その際の合併特例債を目当てとした合併がいいのかどうかという議論もありますが、いずれにしても17年3月を過ぎると人々やマスコミの関心も薄れるのではないかと思うんですが、その期限までに栃木市としてはどういうステップを踏んでどんなアプローチをこれからして行くおつもりですか?
市長 はい、3町では確かに法定協議会が立ちあがりました。しかし、栃木市と五町の間には広域行政という繋がりがあるわけですから、任意協議会でいいからもう一回そういう話し合いの場を持ちましょうということから働きかけたいと思います。三町がスタートしてしまっているからと言って、それを省いて考えるということはできません。
永田 当然そうですよね。経済圏で言えば大平町は非常に栃木市と近いですしね。今のところお忙しくて大変とは思いますが、市長になられてから近隣の町長さん達とはお会いになられましたか?
市長 はい、何度が会っています。こちらから就任のご挨拶にも参りましたし、広域の枠のなかで、何度か会って話し合いをしています。ただストレートに合併の話というふうにはなりません。基本的に我々栃木市が忘れてならないのは40年以上前から大岩藤の合併論議というものがあって、最初のコンセプトは対栃木ということでした。つまり彼らには栃木に追いつけ追い越せという意識があって今回のような動きになったわけでして、我々はその辺の事情を忘れてしまっているのではないかと思います。ですからもう一回そうした認識を持って話し合いに臨まないとなかなか難しいと思います。
永田 合併特例債をいただいたほうがいいのかどうかという議論もあります。先ほどの財政とも絡みますが、合併後を考慮した都市計画は作成しましたよね。
市長 はい創りました。財政論からだけの合併を進めるべきではなく、まちづくりの観点から進めるべきとは思いますが、現在の財政状況を考えると、魅力的なお金ではあります。新しい地域整備計画を立ててそれに対する交付税措置が取られるわけですから、できるなら17年3月までに合併を進めたい。ただ最近は総務省も柔軟な姿勢を示していて、合併の構想または可能性があるということならば認めますよという話も出てきています。
永田 確かに総務省はそうしたことをおっしゃっているようですが、現実にお金を出すのは財務省なので、あれは総務省さんが言ったことで財務省としては期限以内のところにしか出しませんよということにはなりませんか?
市長 確かに財務省は、そうしたとこには厳しいかもしれないですね。ただ合併とはね、急いでするために小さいエリアで考えたほうが現実味があるように思われるのだけども、実際はそうなるとお互いのエゴが出やすくて逆に難しい。だからもうちょっと広いエリアで考えるべきだと私は思うんですよ。また本当に適正規模を考慮したのかというと実はしてませんよね。
永田 適正規模というと、市長のおっしゃるのは二市八町の25万人以上の都市ということですね。
市長 ですから本来は大きな将来構想のなかで考えていかなければならない問題だと考えています。
永田 はい、ところで昨年の住民発議のように我々YEGとして、合併に関して何か協力出来ることはありますか?
市長 YEGさんにはぜひ各町の商工会青年部の方たちとの連携を取っていただきたいと思います。現在の藤岡町の住民発議も藤岡町商工会青年部の方々が中心になっておこなわれましたから。
永田 はい。実は県の枠組みのなかでは、商工会議所青年部は商工会議所だけで、集まりを持っている。商工会は商工会だけで集まりを持っているというのが現状です。またお隣の小山市のように、合併はしても商工会議所と商工会は別々というところもありますから、すぐには親しくお付き合いできるという風にはならないと思いますが、これから接点を持つよう心がけていきたいと思います。
市長 ぜひお願いします。
永田 はい。ところで今日きているメンバーで合併について聞いてみたいことはありますか? どうですメンバーのF君!?
F 君 はい、ぜひ聞いてみたいのが、市長の考えていらっしゃるのは対等合併でしょうか、それとも吸収合併でしょうか?どちらがスムースにいくのでしょうか?
  (大平町在住の彼は特にそこが気になるらしい)
市長 基本は対等です。現代は吸収というのはありえないと思っています。昭和30年代の合併は吸収という形で行われました。そうしますと吸収された地域の独自性が失われたり、吸収した側に人、物、金が一極集中してしまうという弊害があったと思っています。大きかろうが小さかろうがお互いの特性を活かせることを考えるべきで、ですから私の考えは対等合併です。 
F 君 対等合併だと時間がかかると思いますが、そうなるともし合併ができなかった場合に、栃木市としては単独でも今後何十年もやっていけるのでしょうか
市長 数十年後までのシミュレートはしていませんが、10年単位の総合計画で近い将来の財政の裏付けは明らかになっています。将来的に交付税をもらわなくてやっていけるということは現在の法律ではありえません。今の形は地方で集めるお金は40%、国が集めるお金は60%で、使うのは地方で60%、国で40%という具合で、国がお金の再分配をしているのです。本来は地方に使うだけの徴税権を与えれば国の交付税や、補助金を頼る必要が無いわけです。しかし国もその権限、つまりお金ということですね。それを手放そうとしていませんから、地方分権といっても仕事は降りてくるが、徴税権は国が離しませんからね。それが解決をしない限りは、ずっと今のように交付税や補助金に頼らなければ、地方自治体はやっていけないのが現状です。
永田 はい。現実はそういうことですね。では合併については、法定協議会でなくまず任意協議会を立ち上げましょうということを、市長自らがトップ会談で近隣の町に働きかけていくということですね。
市長 はい。
永田 また我々YEGにお願いしたいことは近隣の商工会青年部等と話し合いの場を持ってもらいたいということですね。
市長 はい、よろしくお願いします。

TO BE CONTINEUD

 

7月号 PartU

  今回は中心市街地活性化、観光客対策等々のお話です。
永田 はい、では次は地域経済ですが、うーん。
市長 はい、これは簡単な問題ではないですね。
永田 そうですね。農業、商業、工業、観光とありますが。まずよく話題になるのが中心市街地の活性化ですが。昔の話だけどお互いJCの現役メンバーだったころ大通りのアーケードは取り払って、街路樹でも植えようよ。なんて話し合ったこともありましたね。たしかに大通りはきれいになったけど、残念ながらまだ中心街が活性化するまでにはなっていませんね。
市長 実は商工会議所の肝いりで中心市街地の活性化のために栃木市ではTMOの支援を打ち出しました。TMO自体は基本的にアメリカの考え方なのでありますが、TMOの先駆者のアメリカとはちょっと形態がちがいまして、アメリカのTMOは執行権を持っている。つまり権限まで持っているのですね、しかし日本ではそこまでは持っていない。執行権を持たないTMOの団体が果たして市街地の活性化ができるのかという疑問があります。
永田 タウンマネージメントオーガニゼーションですね。今はどんなメンバーで活動なさってるのですか?
市長 コラコラ、事務局はちゃんと会長に教えておいてね。(笑)
  (事務局のS君、申し訳無さそうにうなずく)
永田 えっ経営者会会長は構成メンベーになっているの? 前会長からは聞いてないよ。すいません、今の部分はカットでお願いします。 (笑)
市長 これは鈴木市長の時代に計画されましたが、先ほど話した様にTMOの有り方自体をもっと研究していかないと、今のままの形では成果を出すのは難しいかもしれません。
永田 なるほど、民間からただ意見を聞いたという形に陥りがちですよね。中心市街地の活性化というのは、これは栃木市だけの問題ではないですよね。日本全国何処へ行っても地方都市はほとんど中心市街地の活性化を叫んでいる。県内でも栃木より人 口が多い宇都宮や足利でも、なかなか難しいようです。我々栃木では民間と行政がTMOに取組んで成果を出せるよう頑張りましょう。
市長 そうですね。
永田 さて観光はどうでしょう。
市長 これは面白いデータがあるんですが、現在首都圏からバスで来る栃木市を訪れる観光客の平均栃木市中心街滞在時間というのはどれくらいかご存知ですか?
永田 うーん、3時間くらいですか?
市長 3時間あれば、食事もして買物もして、ということで地元にお金が落ちますが、実は45分なのです。
永田 えっ、そんなものですか。じゃあ、メインではなく、なんか箸休めのような存在ですね。
市長 そうです。目的地というのでなく,中継地というのが実情です。一時間以内では観光客というのはお金を落とさない、ようするにトイレ休憩とか、ちょっと観光してまたバスに戻ってしまうというのが現状です。今会長が言われた滞在時間を3時間に伸ばす工夫をして、経済効果もあげるということが必要です。残念なのは見るべきものが点在していて、連続して短時間で見て廻れるという流れができていないようです。そういった流れを創っていく為に今年サイン計画といってどこにどういうものがあるか、どういう歴史的背景をもっているか、そういったサインつまり案内版のようなものを設置しようとしています。そうして観光客の流れをつくり、滞在時間を延ばしてもらいたい。それと実はご飯を食べるところが無い。
永田 おそばやさんや、いろんなお店があると思いますけど。それではだめなんですか。
市長 無いのはバスで来た大勢の人達が一度に昼食を食べられるところですが、団体観光客向けというのは、実際はないですね。
永田 なるほど、なになに御一行様昼食はこちらですという大勢が一度にというのは確かにないですね。
市長 だからどうしても昼食の時間に街中にいるという時間設定にはならないんですね。
永田 うーん、そうですね。それは必要かもしれませんね。しかし誰がその昼食場所を経営するかとなると難しいなあ。市でやってくれってわけには行かないですしね。民間は採算の取れることしかしないし。
市長 だから卵が先か鶏が先かの話しになるんだけど、ある程度の数の観光客がいて、そこにニーズがあるとする、さてどうするかということです。これからの課題になりますけど、現在半官半民のような観光協会も民間で運営できるようになれば視点が変わってきて何か違った展開もありえると思います。
永田 先程の観光客向けの案内板の件ですけど、個人的には景観を壊すような看板にはしてほしくないですね、以前ウィーンに行った時に感じたんですが、著名な音楽家がこの家に何年から何年まで住んでいてどんな曲をここで創った、なんてことがそこの雰囲気を壊さないようにものすごくさりげなく小さく説明してあるんですよ。ほんと逆に見落としてしまいそうなくらいです。案内よりも景観や雰囲気を大切にしているのが感じられました。だからここもどーんと大きな案内版があってここが何々の蔵です、なんてのにはして欲しくないなあ。
市長 会長の好みかどうかはわからないけど、景観のために市民の声も取り入れてデザインにはかなり配慮したようです。
永田 そうですか、期待しています。とにかくせっかく大勢の観光客がいらっしゃるわけですから彼らに対して滞在時間を延ばしてもらう工夫をしなければなりませんね。これもやはり青年経営者会や商工会議所のような経済団体が考えていくことなんでしょう。
市長 本来は地元の企業や商店街の人達が本当に生き残りをかけて創意工夫しなければならないことだと思います。佐野にアウトレットモールができて年間集客数が約120万人と言われている。これを黙って見ているので無く、これをなんとか栃木まで足を延ばしてもらう何かが必要だと思います。それと、視点を変えて見ると、栃木は今となっては逆に開発されなかったということを強みにしたらよいと思います。都会の人達には自然に触れたいとか、土に触れたい、のどかに暮らしたいいわゆる癒しというニーズがあるはずで、街全体、空間全体、人々もそうした癒しをかもし出せば良い、癒しが栃木のキーワ−ドになれば良いと思います。それらをうまく創り出して、集客につなげることを考えられればなと思っています。
永田 そうですね、最近テレビでもスローフード、スローライフの薦めなんてやってますしね。これからニーズはあるでしょうね。つまり、お考えとしては、現在の観光資源を更に活かす工夫をしていくということと開発されていないことを強みに変えて行こうということで、今まで他所で行われてきたように特別に大きな投資をして、観光客を呼び込もうというのではないですね。 
市長 ええ、そういう時代ではないと思います。
永田 市長のおっしゃる「癒しの街栃木」というコンセプトもいいですね。観光客の方々にゆったりと寛いでいただきたいものですね。
 

TO BE CONTIINEUD

 

8月号 PartV

  最終回です。紙面の都合上要約してお届けします。
永田 さて、工業団地に工場誘致という時代ではなくなってしまいました。優位点を挙げるとすれば、東北自動車道と北関東横断道路の結節点というところですが。何かお考えは。
市長 インター周辺の整備は、過去に二度開発の構想がありました。ただ過去の計画は、計画をしてから完成するまでの期間があまりに長すぎて、完成するまでに、社会情勢や経済情勢が変わってしまい、それに対応出来なかったというのが本当のところだと思います。これからは何をポイントにしていくかという短期集中型で出来る計画が良いと思われます。物流特区という構想もありますが、これは、税関機能を持たなければ意味がない。ここから海外や全国へ直接発信できるようなそんな機能を備えていればいいと思います。北関東では物流拠点は過去に前橋市が試みましたが現在では失敗だったと言われています。
永田 前橋のような大きな街でさえも、失敗ですか。
市長 当初はよかったのですが、今では倉庫の稼働率は30%に満たない状況です。物流が大きな倉庫を必要とせずにITによってトラックからトラックへというような流れになり倉庫を必要としなくなった。つまり時代が変わってしまったわけです。ですから、栃木でやるならば税関機能を持った物流地域ならあり得るかもしれないと思います。ただの物流基地では佐野にもあるので意味がないでしょう。
永田 なるほどITによって、企業はローコストで物を届けられるようになったけど、そのために地方自治体にとっては、目論見がはずれてしまったということですか。確かに今は時代がめまぐるしく変わってしまうので、民間の先の動向まで読んで地方自治体が開発をしていくというのは難しいことなんですね。
さて次は教育についてです。我々の子育て中の年代は教育に対して非常に感心が高いですからね。
市長 そうですね。しかし現実は市でできることは意外と限られています。先生の任命権というのは県の教育委員会にあるのです。我々ができるとすれば、学校の先生方の評価をするべきだと思います。すべての先生をするわけではありませんが、よくやっている人が報われるようにしたいですね。
永田 市から出る教育予算というのは人件費ではなくハードの部分だけですか?
市長 その他に、例えば生活支援員等があります。彼らを学校に配置することによって子供の心のケアを充分できるよう配慮し、またその分、先生の負担を軽減し、今問題になっている学力低下に対処していこうとしています。
永田 学力低下といえばよく議論されるのが小人数学級制ですが、これは実現できますか?
市長 段階的にですが、私はできれば30人がいいと思います。しかし実際は人件費や教室等にお金がかかります。30人にすると何億か必要ですね。
永田 何から手をつけていくのがいいのでしょうか。先生の評価か、人数の見直しか、それとも学校の統廃合による、予算の捻出か。
市長 その統廃合を含めた学区再編は今年から協議に入ります。
永田 そうですか。ところで、素人の質問ですが教育長は民間人ではだめなのですか。
市長 いやかまわないはずです。 唯一教育長だけが市長に任命権があります。
永田 よく話題になりますが、よその町で民間の校長先生も沢山いますよね。
市長 でも民間人は教育界にはいると違和感があると思います。実際、民間人を登用した所で不幸な事件もありました。やはり互いに異質であるという感覚があるのではないでしょうか。
永田 異質なものを排除しようとする力は、すべての組織において働きますからね。 
これから 日向野色を出して行くために職員人事についてはどうですか。ここ
だけの秘密にしておきますから。
市長 まず職員が公平な評価をされるような仕組みが必要だと考えています。やはり業務の均衡を欠くようなことがあってはなりませんし、そうした庁内環境を整えないといけないと思っています。職員が企画した事業の評価もしなければなりませんし、自己評価、あるいは第三者機関による評価等、民間と同じような評価の仕組みに変えていかなければ、本当に公平で職員もやりがいのある様な人事にはなりません。
だから×××××××××××××××です。(機密保持のためお伝えできません)
永田 それではしっかり足元から築きあげていってください。さて公約の100人委員会についてはどうですか。
市長 公募で栃木市の将来構想等について一般からダイレクトに意見を聞きたいと思っています。これと平行してやりたいのが、市民と行政の役割をはっきりさせ活力を生み出すようなパートナーシップ条例を制定したいと考えています。
永田 市民の意見を聞いて行政に反映させるというのは市議議員の役割でもあると思いますが、議員さん達や議会との調整はどうなりますか。
市長 まず市議会との関係ですが、今までは行政が創ったものを審議していたという部分が大きいのですが、行政の予算編成や仕組み作りに一緒に市議会議員に入っていただくという手段が取れると思います。そして100人委員会の方は市民の声を直接吸上げるということになります。なるべくはやく1年以内には構想を練りたいですね。
永田 過去に国でよくあったような形だけの委員会になってほしくないですね。これは纏め上げる人が重要ですよね。昨年の道路公団審議会のように、委員も真剣に議論していただきたいものです。最後になりますが、過去に青年会議所では毎年市長を囲む懇談会を開催し、意見交換をしていました。開催しなくなってしばらく経つので、今度、経営者会でお呼びする機会があったら来てくださいますか。
市長 もちろんです。その他に経営者会や、青年会議所には市の職員を派遣して、民間の考え方を学んでもらいたいとも考えています。
永田 大歓迎です。ぜひ一緒に勉強させてください。
市長 また若手経営者の皆さん達とは、今後も継続的な意見交換をしていきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いします。
永田 こちらこそよろしくお願いします。本日はお忙しいところありがとうございました。
 

END


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